勇者系【鬱話】

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勇者「でだ。毒の魔法なんだけど」 勇者「これは酸の魔法なんかよりえげつなかった」 勇者「王様も姫様も、ここに集まったえらーい人たちも知らないかもしれないけれど、魔物だって集落みたいなものを作ってるんだ」 王様「なんと……」 勇者「意外だった? でもさ、知能は人並、下手したら人よりも知能があるかもしれない生き物が沢山いるわけよ」 勇者「それに、オスもいればメスもいる。それがいるなら子供だってできる」 勇者「子供の魔物は当然大人なんかよりは弱い」 勇者「だから寄り集まって、集団生活をしたりする」 勇者「人となんら変わりはないよ」 勇者「魔法使いは、そんな集落で毒の魔法を使った」 勇者「正確には、集落の近くの河や、集落の中にある井戸水に」 勇者「当然、阿鼻叫喚の地獄絵図ですよ」 勇者「魔物にだってオスもいればメスもいる。子どももいれば年寄りもいる」 勇者「強いものも弱いものも混じって沢山いる」 勇者「それを別け隔てなく、魔法使いは皆殺しにした」 勇者「そして、そんな地獄で魔法使いは笑ってた」 勇者「魔法使いってさ、さっきも話した通り、元々は箱入りのお嬢様なんだよね」 勇者「だから冒険に出た最初の頃は、笑い方も『オホホホホー』みたいな変な笑い方でさ」 勇者「そんな変な笑い方を見て、俺や戦士がちょっかい出して、真っ赤に怒った魔法使いを、困った顔で僧侶がなだめて」 勇者「そんな時もあって……楽しかったなあ」
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