勇者系【鬱話】2【僧侶の日記】

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通常の隣国への道は整備されており、旅にも不都合は少ないのだが、私たちは追われる身。その道を通ることは出来ない。 景色は緑が増え、身を隠すにはちょうどいい。 夜露で喉を潤す。 持ち出した地図が正確ならば、このまま山道をぐるりと迂回する形で隣国の端の村まで辿りつけるはずだ。 せめてそこまで辿りつくことが出来れば、移動魔法で砂漠の国を経由せずに自国と隣国を行き来できるようになる。 進むしか無い。 食料が心もとない。 道すがら数種の魔物を倒し、食料に適した種を探す。 戦士が朝から、激しい嘔吐と下痢を繰り返す。 昼に食べた魔物が原因か。豚に似た外見に騙された。 解毒の魔法の効きが悪い。今夜は眠れなさそうだ。 どうにか戦士が持ち直すものの、立つのもやっとという状態だ。 魔力の消費をしすぎたのか、頭痛が止まらない。
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