勇者系【鬱話】2【僧侶の日記】

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村の人から馬車を譲ってもらった。 決して安くはないものの、これで随分と楽になる。 早く海が見たい。 風の匂いに違うものが混ざり始めた。 どことなく、空気がベタついている感じだ。 だが、決して不快ではない。 海を見ることができた。 この感動をどう現していいかわからない。 港町へ到着した。 入国は実にあっさりと終わり、拍子抜けしてしまう。 宿に入り休んでいると、この国の兵が現れ、明日の謁見を命じた。 明るかったみんなの表情が一転して暗いものになる。 いつでも出られるよう、荷物だけはまとめておこう。
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