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採取した魔物の体液を馬車に持っていった時、勇者は全て理解したようだった。
お願いだからそんな優しそうな目で私を見ないで。
毒を持つ体液を嚥下した後、血を吐いて動かなくなった彼を馬車に残し、私たちは進む。
雨音が私を責め続ける言葉のように聞こえた。
街はまだ見えない。
雨に氷が混ざってきている。
真っ白な雨が降り出した。
これが話しに聞く雪なのだろうか。
急激な冷え込みの為か、魔物の姿は少なく、動きも鈍い。
勇者がいないことを考慮し、出来る限り戦闘を避け、先を急ぐ。
遠くに街が見えた。
雪が積もり、予定よりかなり遅くなってしまった。
馬車の車輪が思うように進まない。
手足の赤切れが激しい痛みを伴う。
手足の感覚がなくなってきた。
雪の勢いが増し、見えていた街どころか少し前の景色すら見えない。
死がちらつく。
これしか無いのか。
本当にこうするしか無いのか。
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