1人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日の放課後、保険委員の人は保健室に集合やから忘れんなよー。はい、明日もちゃんと遅刻せずに学校来いよー。終わりー」
「起立ー、礼ー」
『さよーならー』
最後の最後まで担任はあたしと夏海をばかにしたように嫌味を言った。
今日もやっと長い長い授業が終わった。
「なこーっ!今日掃除?」
夏海が笑顔でこっちに飛んでくる。
すると、あたしと夏海の間に学年指導の先生が立った。
「やばっ…」
夏海は今にも逃げ出しそうになっている。
「西原、お前の髪の毛は何色だ?」
学年指導の先生はそう言って夏海を睨みつけた。
「く、く…黒です!!」
夏海は精一杯嘘をつく。
「俺には黒に見えねぇなー、ずっと言わなかったからって許されると思ってんのか!!お前のことを見放してただけや、わかったか?黒染めしろよ、な?」
「…は、はい」
夏海は今にも泣きそうに目を潤わせた。
最初のコメントを投稿しよう!