運び屋

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放浪者となった彼は気の向くままに旅を続けていました。 そしてある日、ある廃墟を探索していた時、彼は何者かによって拉致されてしまいます。 彼の意識が戻った時、彼はもはや人間を遥かに超越していました。 連邦という組織に拉致され、知らぬ間に改造手術を施されていたのです。 彼は連邦の指示に従わざるを得ない状況に立たされましたが、彼はその事にあまり不満を抱いてはいませんでした。 連邦の活動方針は、核戦前以前の地球を取り戻す事だったからです。 超人と化した彼は喜んで連邦の力になりました、最初の内は‥‥‥‥ 連邦は、戦前の地球を取り戻すという大義名分の下にあらゆる手段をもって戦前の技術や文明、遺産をかき集めました。 そう、あらゆる手段をもって‥‥‥‥ 善も悪も無く、ただひたすら過去に執着する連邦に彼は疑問を覚えます。 連邦は正しいのだろうか‥‥連邦に従う自分は正しいのだろうか‥‥戦前の技術にすがる罪の無い人々を排斥し、結果得られた戦前の技術を「保護」する‥‥‥‥ 彼は離反を企てました、彼と同じ境遇、意思を持った改造手術の被験体達と共に‥‥‥‥ 結果として、この大規模な離反作戦は極少ない犠牲と共に成功しました。 その犠牲とは、数人の被験体達の命、そして‥‥大多数の被験体達の記憶。 彼は半廃人になりながらも自由を勝ち取りました。 その後の彼の足取りは不明、謎に包まれていました。 しかし最近になって運び屋として活動を始めた様子、失われた記憶が戻ったのかどうかは不明です。
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