プロローグ

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数分、訝しいげな表情をしていた少女も、トイレの入口が開き、閉まる音を耳にし、漸く安心する。 少女は「ふぅぅっ……」と肺に溜まった空気を吐き出した。 取り敢えず外に出ようとドアノブに手を掛けた瞬間――― ガチャッ! 「ひっ!!!」 ガチャガチャガチャッ! この扉の向こうに誰かいる……。ドアノブはガチャガチャと音を発てながら乱暴に暴れる。 「なんなのよ! 私がなにをしたのよ!? いい加減にしてぇっ!!!」 耳を塞ぎ、その場に座り込みながら悲鳴じみた声で叫ぶ。 それでもガチャガチャという音は止まず、 やがて――― カチャッ、と明らかに先程とは違う、音がした。 ―――キィィィィィ 「イヤァアァァアァァァ!!」》 プツッ
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