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「……いえ、何故私に召集がかかったのか、皆目検討もつきません」
嘘だ。呼ばれた理由は薄々気付いている。それを認めたくないだけだ。
「貴様……いい加減に―――」
「待てい」
「! オーディン様、こいつは遅刻した上にこの言動……! 放ってはおけませぬ!」
「解らぬのなら教えてやればよい。違うか?」
「……く、……ブリュンヒルド、お前は運がいいな……。……貴様に任務を与える」
「はっ」
苦虫を噛み潰したような表情のトールは私を睨み付けながら言う。
「『グノーシス主義』の襲撃事件に関わった者を消せ」
「……仰せのままに」
嗚呼、
今日も私は、
世界樹の陰で、
生きねばならないのか―――
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