プロローグ

6/6
前へ
/15ページ
次へ
「……いえ、何故私に召集がかかったのか、皆目検討もつきません」 嘘だ。呼ばれた理由は薄々気付いている。それを認めたくないだけだ。 「貴様……いい加減に―――」 「待てい」 「! オーディン様、こいつは遅刻した上にこの言動……! 放ってはおけませぬ!」 「解らぬのなら教えてやればよい。違うか?」 「……く、……ブリュンヒルド、お前は運がいいな……。……貴様に任務を与える」 「はっ」 苦虫を噛み潰したような表情のトールは私を睨み付けながら言う。 「『グノーシス主義』の襲撃事件に関わった者を消せ」 「……仰せのままに」 嗚呼、 今日も私は、 世界樹の陰で、 生きねばならないのか―――
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加