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枝から物音がしたと共に桜の花びらが、数枚落ちてきた。
それに気付いた銀善はふと上を向いた。
「!!」
桜の木の枝には、白髪を生やした子供がいた。子供はその場の枝から、近くに生えていた枝に飛び移ろうとしていた。
だが飛び移ろうとした瞬間、足を滑らせ木の枝から落下した。
その光景を見た銀善はすぐに、桜の木に掛け走り枝から落下した子供を、受け止めた。それと同時に落下した勢いにより、銀善は子供を受け止めながらも、その場に尻餅を着いた。
「痛痛痛………」
「…………」
「?(このガキ………
まさか………)」
「銀善殿!!」
その声と共に、使いの者が駆けつけてきた。それに気付いた銀善は、受け止めた子供を地面に下ろしながら、立ち上がり尻に着いた土を払いながら、顔を向けた。
「銀善殿、大丈夫ですか?」
「あぁ……なんとかな
そういえばお前、逃げ出した白龍のガキが、どういう姿をしてるか聞いてるか?」
「あ、はい。
確か………髪は白く、眼が赤くそれに首に力を制御するための、首輪がされています。」
「…………
姉貴に伝えろ……
“白髪のガキは見つかった”とな」
そう言いながら、銀善はその場を後にした。すると銀善の後ろにいた白龍の子供が、銀善が着ていた服の裾を掴み、そのまま銀善について行った。
その後すぐに、麗弥の耳に白龍が見つかったと入った。だが、肝心な白龍の子供がいなくては話にならないと、麗弥は銀善を呼んだ。
「もう用はないはずだ。
何でまた………」
「…………
フッ………
気に入られたみたいだな、銀善」
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