桜の奇跡

プロローグ

白い龍が死んだ日、ある一人の子供が無邪気に川で遊んでいた。すると突然強い風が吹き出した。子供は風が吹く方を向きながら、呟いた。

｢父さん?…………｣

子供が呟くと同時に、風が止んだ。

子供は何事も無かったかのように、また無邪気に川で遊び始めた。

今から書く物語は、天堺と下堺に生えている桜の木だけが見ていた物語。