第一章

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人間が侵されていた毒を解毒する方法はいたって簡単だ。 まず、解毒のための魔法陣を発動。魔法陣での解毒と同時に、患部を消毒し解毒剤を塗りこむ。 塗り薬と解毒用魔法陣だけでは効果が薄いため、この毒用の解毒剤(飲み薬)を慎重に飲ませる。 飲ませ終わると、地面にボックスから取り出した布をひき、そこに寝かせる。 解毒の魔法陣はそのままに、解毒剤をつけた右腕を包帯で巻くと一息ついた。 本来なら自宅に連れて行き休ませたいが、人間を家に入れるのは抵抗がある。 前に、助けた奴に攻撃されたというのがあったから、信じられない。 俺は、解毒用魔術陣とは異なるものを発動し様子を見ることにした。 よく見てみると、人間は男性でまだ10代くらいだろう。 金に近い茶色の髪は見ただけでもサラサラだ。触り心地も良さそう… 顔立ちもまだあどけなさが残っているが、整っており男の俺から見てもかっこいい。 さぞかし、モテるのだろう… その他にも分かった事は、彼は多分公式ギルドの人間で結構高ランクの者である可能性が高いということ。 何故、公式ギルドの人間であると考えたか。 それは、彼が着ていたローブにある。彼のローブには、前に森の入り口にいた人間と同じ紋章入っているからだ。 この紋章は、『不死鳥フェニックス』をモチーフにしてあるらしい。 それと、高ランクであるだろうという憶測は、この森に来れるというところからである。 この森は、他とは違う独自の進化を遂げた生き物ばかりが棲みついている。 言い換えれば下界で進化を遂げた生き物は、この森で生き残れる確率が低いのである。
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