第一章

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人間を拾って面倒を見るのは、出来るだけ避けたい。 ましてや、拾って助けた人間に変な目で見られたあげく、研究所送りになりそうだったのは思い出したくないことだ。 「人間になりたい」なんて馬鹿なこと思っていた昔の自分に今ならこう伝えたい… 「人間という生き物は助けた者に対し、 人でなければ『化け物』と呼び排除しようとし、 私利的欲求の為には研究所に拉致しようとする。 『恩を仇で返す』この言葉がピッタリな生き物なんだよ」とな… あぁ… あの夢を見てから考えが可笑しい。 全く、こんなネガティブではなかったはずなのに… あの研究所に送られそうになった事件は、解決した。 まぁ…俺がその研究所を潰したんだがな。 潰した研究所からは非道極まりない実験が数多く出てて、社会的に抹消しされたから問題はない。 だがな、気分的な問題がな… ふっ… 少し前に、自宅に連れて行き様子を見るか考えていたときと同じ… 嫌、酷くなっていないか? あぁ… 自分の性格が面倒くさい。 家に連れて行くと決めた筈なのに、後から文句をいう。 我ながら、直せるならさっさと直したい性格だ。 はぁ…考えていてもしょうがない。 今更ながら気づいた、人除けの結界の欠陥部分を変更しに行こう。 俺は、少年の様子もう一度見、異常がないのを確認してから客間を出た。
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