第一章

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少年side 日の光に誘われるように、瞳を開けた。 目を開けた途端、今、自分のいる場所に驚き起き上がった。 …いや、正確には起き上がろうとしただが… なぜか身体全体に感じる微かな痛み、 怠く重い身体、 見たことのない部屋に、 淡く香る森の香り。 身体に感じる異常。 記憶にない場所。 何故此処にいるのか? 思考がうまく回らない。 ナゼ?ドウシテ? 疑問だらけの思考。 全くわからない。 「…ん?」 俺の耳が、小さな物音を捕えた。 その物音から数秒後… この部屋の出入り口であるドアが開く。 そして、ベージュ色のローブを纏いフードを深く被った人?が中に入ってきた。 その人は、俺が起きていることに気が付くと近づいてくる。 「あの…此処は何処ですか?俺は如何してここに?」 入ってきた人に、目がから疑問に思っていたことを聞く。 「…聞こえる?」 少しの間を開けて返ってきた言葉は質問とは違う。 しかも、言っていることが良く解らない。 「聞こえていますがどうかしましたか?」 疑問に思いきいてみたが、その答えは返ってくる事がなかった。 「質問、答えてなかったね。如何して此処にいるかだったけ?」 この人の声は、独特だ。 年層を感じさせない少し高めのテノールボイス。 男性にしては少し高く、女性にしては低すぎる。 それよりも、この声が作られているかのような違和感が拭えない。 だとしたら、何故? 初対面であろう俺にそこまで… 「…大丈夫?」 「ほぇ…すみません。…なんでしょうか?」 「…君が聞きたいのは、どうして此処にいるかだったよね?」 「はい。そうです」 どうやらいつもの癖で、考え事に浸っていたらしい。 違和感のある声の事は置いといて、俺がどうしているのか聞かなければ…
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