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転移魔法陣が拒否されるのは前にも挙げたが、詳しく説明すると結構ややこしい。
今は必要もないので、説明する必要もないだろう。
「森の入り口までなら、送ってやろうか?入り口に迎えを呼べば帰れるだろう?」
困っている様子だったのでそう伝えると、ベクルは驚いたような表情をしてこちらを見た。
「いいのか?迷惑だろうし…俺、歩けないぞ?どうやって、森の入り口まで行くんだ?」
「そのことに関しては、心配する事は無い。ちゃんと、方法がある」
「でも、迷惑だろ?」
「迷惑?治ってから帰るのか?」
「あぁ…」
「…馬鹿か?お前ひとりでは危険だ。この森がどんな所か知らない奴が一人で歩くなんて、自殺行為だぞ。それに、怪我して俺の所に戻って来られたら、それこそ迷惑だ!」
俺は、ベクルの安易な考えに怒りを覚えた。
気が付けば、ベットに寄りかかっているベクルに掴み掛っていた。
「…すまん。取り乱していたようだ。怪我人のお前に、掴み掛るなんて…」
「い…いや…俺も悪かった…」
気まずい雰囲気…
居た堪れなくなった俺は、食べ終えた食器を持ち立ち上がった。
「どこ行くんだ?」
部屋を出ようとした所で、ベクルに声を掛けられた。
「…食器をかたずけてくる。その後、お前を森の入り口まで送ってやる。迎えに来る奴に連絡しとけよ…」
振り返りベクルを見る。困惑した様な表情をしている…
見ていられなくなり、ベクルから視線を外し要件だけ伝え部屋を出た。
その時、自分が辛そうな表情をしていた事は、気づきもしなかった…
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