第一章

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部屋を出て食器をキッチンに置き、自室へ向かう。 部屋に入りクローゼットから、昨日着ていたローブと手袋を取り出し着替える。 着ていた服は、クローゼットにしまいクローゼットを閉めた。 服装を目視で確認し、不自然な所が無いかを簡単にみる。 異常がないのを確認し、自室を出た。 ノックをして中から合図があってから、客間に入った。 少し前の体制で変わらずいるベクルのもとに向かう。近づく気配に気が付いたベクルが、こちらを見た。 驚いたような表情をするベクルに要件を伝える。 「迎えに連絡は取ったか?」 「え?もしかして、さっきの事って本気だった?」 驚いたような表情のまま、ベクルが聞いてくる。 そんなベクルに、少しばかり機嫌が悪くなる。 俺は、こんな事の為に嘘を言ったりはしない。 後からどうなるか位分かるのに、何でそんな、面倒なことをしなければならないのか? 人間とは、分からないものだ… 「本気?俺が嘘をつくと?この位の事で嘘をついて何になる?……面倒なだけだろう…」 …最後に本音が出てしまった。 ベクルは、困ったような表情をしているが何故だろう? 疑問に思い訊ねようと口を開こうとしたが、ベクルが先に言葉を発した。 「…ごめん。怒らせたね」 「ん?何がだ?」 「だって、不機嫌そうだから…」 いきなり誤ったベクルを疑問に思い聞くと、そんな返答が返ってきた。 感情が言葉に出てしまったか… 「怒ってはいない。ところで連絡したのか?」 「…連絡はまだだよ」 「そうか…連絡はしとけよ…すぐ着くから…。これを忘れるなよ。お前が来ていた服だからな」 そういって、近くに置いていた服をベクルに渡す。 ベクルは、一瞬驚いたような表情をした後、嬉しそうな顔をした。 血がついていたりしたがそこは浄化魔法で綺麗にしてある。
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