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暗闇の中から呼び起される…
そんな感覚になるのは、何故だろう?
あの日から見なくなった普通の夢。
『普通』などと、夢に区別をつけるのは可笑しいのだろうけれども、思ってしまう。
「『人間』になりたい」
そう願うのは、間違っていたのだろうか?
あの過ちを犯した日から、俺の日常は変わってしまった。
……もう考えるのはやめよう。
朝からネガティブなのは、ごめんだ。
寝ていたベッドから起き上がり、顔を洗うために洗面所へ…
洗面所はクリーム色の壁をしており、まだ夢の中にいるような感覚だった俺を呼び戻す。
水を出し顔を洗い、タオルを取る為に顔をあげる。
ふとした瞬間、前にある鏡に目を向けてしまった。
「はあ…」
鏡を見ると必ずと言っていいほど、溜息を吐いてしまう。
鏡の中に俺の姿はない。
あの過ちを犯した日から、俺ークライシス・レイ・ユージリアーは、透明人間になってしまったからだ。
あの時、何故『人間』になりたいと、思ってしまったのだろう…
他と違くとも、俺は俺ではなかったのだろうか?
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