45人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
悔やんでも仕方がない。
過去は変わらない。
いや…過去は、どんな事があっても変えてはならない。
これは、この魔法世界『フェルトニカ』での最大の規律であり、この世界に暮らす生き物の掟だ。
この掟を破ったらこの世界にはいられない。
それほど大切なものだ。
せめてもの救いは、日が落ちている間だけ、元の姿に戻れることだ。元の姿も似たようなものだが、自分の姿が見えるだけましだな。
……さて、この話はこのくらいにして飯にしよう。
今日は、食料を調達しなければいけない。
早めに行かないと、時間が無くなってしまう。
俺は朝食を食べ、着替える為に寝室に戻る。
寝室は正面に大きな窓がある。ベッドは、右側に壁に寄せておいてある。また、左側は窓の方に机があり、入り口の方がクローゼットだ。
どの家具も木でできている。装飾は殆どされていない為、いたってシンプル。だが、木の温もりがが感じられる為、結構気にいっている。
俺は、クローゼットを開け中から黒いシャツと黒のパンツを出し着替える。
着ていた服は特殊な物で、普通の服を着ると消えた。
まあ…消えると言っても、俺の収納魔法『ボックス』の中に入るだけだが…
着替え終わり玄関へ向かう。
外に向かう前にふと、玄関にある姿見で全身を見てみる。
……やはり、手袋とローブは着けておこう。
服だけが浮かび動き回る。この光景はある意味ホラーだ。俺がもし鉢合わせたら軽くトラウマになるぞ。
最初のコメントを投稿しよう!