45人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
俺は、ボックスからローブと手袋を取り出す。
全身が覆われるようにベージュ色のローブを纏い、黒の革手袋をはめる。最後に、ローブに付いているフードを深く被る。
俺は再度姿見を見て、全身を確認をする。
[これで、いいか…]
この服装に仮面をつければ完璧だが、そこまではいいだろう。
いざとなったら、直ぐにつけられる様にローブに細工してあるし…
俺は玄関の扉を開けた。
扉を開けた瞬間、森の香りが全身を包み込む。
この家は、ある森の奥地に建てられている。その為、見渡す限り植物くらいしか見えない。
家から一歩出ると人のいない森の中であることが、俺は一番安心する。
ちなみに、俺にとって家から出てすぐに他の人に会うことは、一番に避けたいことだ。
その為家の周りには、人除けの結界を常時発動させている。
外に出て扉を閉め、家の鍵をかけると同時に家が消えた。
これは、家の基礎に不可視や進入禁止、耐火などのあらゆる魔術陣を組み込んでいるからだ。
家が見えなくなるのを確認すると、俺は食料を探しに森へと消えていった。
最初のコメントを投稿しよう!