第一章

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俺は、ボックスからローブと手袋を取り出す。 全身が覆われるようにベージュ色のローブを纏い、黒の革手袋をはめる。最後に、ローブに付いているフードを深く被る。 俺は再度姿見を見て、全身を確認をする。 [これで、いいか…] この服装に仮面をつければ完璧だが、そこまではいいだろう。 いざとなったら、直ぐにつけられる様にローブに細工してあるし… 俺は玄関の扉を開けた。 扉を開けた瞬間、森の香りが全身を包み込む。 この家は、ある森の奥地に建てられている。その為、見渡す限り植物くらいしか見えない。 家から一歩出ると人のいない森の中であることが、俺は一番安心する。 ちなみに、俺にとって家から出てすぐに他の人に会うことは、一番に避けたいことだ。 その為家の周りには、人除けの結界を常時発動させている。 外に出て扉を閉め、家の鍵をかけると同時に家が消えた。 これは、家の基礎に不可視や進入禁止、耐火などのあらゆる魔術陣を組み込んでいるからだ。 家が見えなくなるのを確認すると、俺は食料を探しに森へと消えていった。
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