第一章

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人間!?何故此処に? 此処は、森の最深部と言っていいほどの奥地だ。 確かに、森の入り口付近などには人の気配が極偶にある。 しかし、こんな奥地で人間に会ったの初めてだろう。 しかし、鉢合わせするのはまずい。 俺は慌てて、ボックスから仮面を取り出してつけた。 仮面をつけた後、俺はゆっくりと人間のもとへ近づいた。 近づいてみると、人間の様子がおかしい事に気がつく。 大丈夫だろうか? 俺は、あたりを警戒しながら急ぎ足で近づいていった。 人間のもとへ行くと、大木に寄りかかり目を瞑っている。 …最悪の状況が頭をよぎった。 [おい!大丈夫か?] 肩に手を付け相手に声をかける。 右腕の方に何かを感じたので見ると、腕から血が流れている。 俺は回復魔術を使おうとしたが、違和感を感じ『検診』と呼ばれる魔術を発動させた。 検診の結果を見た俺は、ボックスから解毒剤や包帯などを取り出し治療を開始した。 この人間が侵されていたのは特殊な毒だ。 毒を持つ魔物は他の土地にもいるが、この毒をもつ種はこの森にしかいない。 余りにも特殊なうえ、この毒に効く解毒剤は下界では出回っていないだろう。 その前に、この毒が下界で知られているかも危うい。 そのくらい珍しい毒なのだ。
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