一章

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「ん~、………重い」 どうも、俺は一ノ井晃弘だ。今日は高校の始業式だ。俺は三年生になる。つまりは受験生だ。……………面倒臭い。 とりあえず、起きるか。 「おいユミ。起きろ」 「ニャー」ゴロゴロ こいつは俺が飼っているメスの白猫だ。中学生の頃から飼い始めた。毎朝、俺の上で寝るから困ったものだ。 「朝飯食うか」 「ニャー」 俺の両親は俺が中学生の頃に飲酒運転の車が突っ込み、俺を残して他界してしまった。 ユミを拾ったのはその数週間後で、一人で黄昏てるときに気付けば拾っていた。 「ユミ、ご飯だぞ」 「ニャー!!」ハグハグ 「俺もなんか作るか。」 両親が他界してからは行く宛がなかったために、賠償金と、保険金、両親の貯金で生活してきた。 その多額のお金を目当てにたくさんの人間が声をかけてきたが、全て一蹴した。 高校に入ってからはバイトをしながらやりくりしている。 「ごちそうさま」 「ニャー」 俺の通っている学校は県内有数の進学校だが、部活も盛んでかなりの成績を残しているようだ。 チーン 「父さん、母さん、いってきます」 毎朝必ず手を会わせるのが日課だ。 「ユミもいってくるな」 「ニャー」 ガチャ どうやら今日は快晴のようだ。何か良いことが…………。 「みんな離れてよ!!」 「嫌だよ!!」 「変わりなさい!!」 「ふふふ、隣は私のものです」 「……背中は…私の特等……席」 どうやら、今日は厄日のようだ。
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