一章

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ガラガラ おー、流石に空いてるな。俺の席は……窓際の前から二番目か。中々のモブキャラ席じゃないか。 ん?なんで前に誰の名前が無いんだ?まぁいいが。 「寝るか」 「オッス、晃弘」 「………」ゴスッ 「ちょっバキッ、まっゲシッ、ねっドカッ……気持ちいい」 「……………」 「すみませんでした。そんな白い目で見ないでください」 「……いきなり土下座なんてしてどうした」 「お前がいきなり殴って蹴って踏みつけたんだろうが!!」 こいつはアレだ。弄られキャラだ。つまりゴキブリだ。 「ゴキブリじゃねぇよ!!」 なに!!下等生物のくせして読心術だと!? 「声に出てるからな!?それに下等生物じゃねぇ!!」 「幼女は?」 「愛でるべき至高の存在」キリ ……………ただの変態のようだ。 「……おい変態」 「変態じゃねぇ!!」 「……貴様の罪はただひとつ」 「へ?」 「……俺の睡眠を妨害したことだぁぁぁぁぁ!!」 「ギャーーーーーーーーーーーーーー!!」 その後やつの姿を見たものはいない。 「死んでないからな!?」 「ちっ」 「舌打ち!?」 「ところでお前の名前ってなんだっけ?」 「いまさら!?」 はっはっは、忘れたわけないじゃないか。……………たぶん。 「たぶん!?」 「冗談に決まってるだろ?鈴木くん」 「鈴木って誰!?」 「お前の後ろにいる人」 「え?うそ!?………なんで椅子を持ち上げてるんだい?ねぇ、ちょっ降り下ろさなギャーーーーーーーーーーーー!!」
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