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「…………」
鬼の形相で訊ねるユウヤに、朔夜はただ沈黙を返すしかなかった。
そんな朔夜に、ユウヤは一層怒りを露にする。
「お前は、馬鹿だ!馬鹿で、愚かで、どうしようもない!なんで……!」
そこで荒くなった呼吸を整えるため、ユウヤは一旦言葉を切る。
深呼吸をすること数秒後。
「…………っ!」
乾いていたその左目からも、涙が溢れた。
「なんで、祐也はこんな奴を心配してるの……!ぼくには、分からない!なんで、こんな愚物を祐也は親友だと、大切な仲間だと思ってるの!?」
ユウヤの独白ともとれる台詞に、朔夜は目を見張った。ユウヤは、そんな朔夜をキッと睨み付ける。
「祐也が泣いてるんだ!『朔夜を傷付けないでくれ、責めないでくれ、俺が悪いんだ。全部、全部、俺が上手く立ち回れなかったから、いけないんだ。朔夜は、なにも悪くない』……ねぇ、訊くけどさ―――――」
―――――祐也を傷付けてるのは、誰だと思うの?
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