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「いったああああああああああああああああ!!?」
突如として頭部を襲った激痛に、思わずユウヤは叫んだ。
「うううー…………!」
殴られた瞬間だけではなく、拳骨が降り下ろされた場所は、風呂場の黴のようにしつこくズキズキと痛み、激痛に歪められた目にはじわじわと涙が滲んでいく。
「ばかばかばかっ!神の馬鹿ー!!なんで急に殴るのさっ!ぼくが馬鹿になってもいいのー!?」
「ははは、ユウヤが馬鹿になったら馬鹿な僕とお揃いだね!」
「嬉しくないっ!!」
涙目で抗議するユウヤに笑顔で対応しながら、神は一歩近付いた。
ざりっ。砂を踏み締めた音がする。
「もー…………神?」
ユウヤはそれに気付き、同じように一歩下がった。もう一度、ざりっ。更に、もう一度。
「え、ちょ、神!なんで笑顔で近づいてくるの!?こわっ!怖いよ!!」
笑みを浮かべたまま無言で距離を詰めてくる神に怯え、ユウヤは神から視線を逸らせないまま逃げるように後退する。
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