嵐を呼ぶ山田

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神がざりっと足音をたててメフィストとユウヤの前に立ちはだかる。 片手をユウヤに向けて伸ばし、ニヤリと悪どい笑みを浮かべる。 「さあ、メフィスト。ユウヤを渡してもらおうか」 「はっ、何言ってやがる。ユウヤは俺を選んだんだよ。お前なんかに渡すかクソ神」 「ごめんなんかぼくのこと取り合うの止めてくれる? そろそろ、暴走しちゃいけない人が暴走するような……」 「ユウヤ、それはフラグなのだー」 ベルがのんびりとした口調で言った、次の瞬間。 「ふわあああああもうたまらないわ!イケメン→精神ショタ←イケメン!ゆー君総受け!!何ここは天国なの!?でも素敵だけど私はやっぱりゆー君が他の人といちゃいちゃしてるの見るとイライラするうううう!!なんで!?なんでパラダイスを目の前にしてイライラするの!?私、腐ってるのに!!」 「うわっ!?」 臨界点に達したのか、突然叫びだしたフィリア。意外に近くにいたユウヤは急な大音声に驚き、体をびくりと揺らした。 「フィリア、ちょーっと落ち着こうな? なんかふざけてたけど、そろそろ切り換えてシリアス入る予定だったからさ」 メフィストが苦笑する。フィリアはばつの悪そうな顔をしたが、すぐにキッとメフィストを睨み付けた。
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