最初は説明からだな

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急く気持ちを抑え、必死に平静を保ちながら足を踏み出す。 「なぁ、如月」 しかし、最初の一歩目が地面に着くか着かないか、というところで呼び止められた。 大きく跳ねて鼓動のペースを増やした心臓。俺は緊張で額にうっすらと汗をかきながらも、必死に震えを抑え、平坦な声で返答する。 「……何ですか?」 奮闘虚しく、たったそれだけしかまともに発することが出来なかった。 しっかりしろ!動揺するな! 胸中で叱咤する。しかし、緊張のせいか未だに鼓動のペースは速いままだ。 「あのさ、お前ってさ……」 そんな俺の状態には当然気付くことなく、皇紀は話を続ける。 今まで、皇紀は俺を見ても何の反応も示さなかった。故に記憶は持っていないものだと思っていたが……もしも、今、皇紀が話そうとしている事が俺の予想通りだったら――――― 歓喜と恐怖が混じり合う。恐々とし背筋が凍っているのか、胸が期待で弾んでいるのか、または、その両方なのか。自分の心が分からなくなる。 そして、 「如月って……」 くきゅるるうぅぅぅぅぅ! ……皇紀の話を遮るように、俺の胃が情けない悲鳴を上げた。
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