14383人が本棚に入れています
本棚に追加
「オイコラこのメフィストやろー!俺の許可なくシリアス蔓延らせてんじゃねーよ!」
「あぁん?てめぇ、皇紀のくせにずいぶん偉そうなこというじゃねぇか。その右目から物理的にバリカン取り出せるようにすんぞコラ」
「大変もうしわけございませんでしたですござるまする」
「語尾があn―――――」
「皇紀、語尾が安定してないのだぁー」
賑やかに、くだらないやり取りをしながら俺の前を歩く四人。
“お前も来いよ”
そう言われている気がして、胸が苦しくなった。
「……我慢しろ」
小さく自分に言い聞かせて、俺は俯いて四人の後ろを歩いていく。
この苦しさを受け止めることが。
この苦しさから逃げないことが。
それが、俺の償いなのだから。
じとりと湿った風が頬を撫でる。
「今日も曇り、か」
自嘲めいた笑みを浮かべて小さく呟くと、俺は顔をあげた。
そうして、欲っしてやまない幸せを、目の前で見つめ続ける。
最初のコメントを投稿しよう!