嵐を呼ぶ山田

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「おいこらてめぇ皇紀ぃぃぃぃぃぃいいい!!!!てめっ、祐也のこと殴るとかちょーし乗ってんじゃねぇぞごらぁ!!!!」 「ちょ、メフィストさんあんたはどこのヤクザっすか!!」 「ざけてんじゃねぇぞ、あぁん?出すもんだしてもらおうか……?」 「いや、だからどこのヤーさんだっつーの!」 「うっせぇよばーか!」 「あいたっ!」 俺を指差した皇紀の手を叩き落とし、至近距離で皇紀を睨み付けるメフィスト。 それを笑いながら流そうとして失敗し、結局俺と同じようにメフィストに頭を叩かれている皇紀。 俺を軸にして行われるやり取り。俺がいなくては、有り得ない光景。 ほんの少し。ほんの少しだけ、胸の奥底がふわりとあたたかくなったような気がした。 「ゆー君、ゆー君っ」 「え……あ、なんですか?ルクリファスさん」 ぼんやりとしていたせいで少し反応が遅れてしまった。フィリアはそんな俺を訝しげに見て、それからすぐに表情を華やかなものに変えた。
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