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「えへへっ、ゆー君をゆー君って呼んだだけー。だけど、なんか嬉しいし楽しいわねっ!これがゆー君マジックなのね、すごいわっ」
「…………っ!」
花が綻ぶような柔らかく明るい笑顔にどうしようか俺のSAN値があっと言う間にピンチに陥ったのだが恐るべしフィリア可愛い可愛い可愛い……はっ、盛大にキャラ崩壊してる!!?
あまりの破壊力に崩壊しかけた自我をかき集め、理性で繋ぎ合わせて再構築する。フィリア、恐ろしい子……っ!
「そ、そうですか……」
とりあえずそっぽを向きながら無難な返事を返しておく。
激しい動悸と息切れに襲われて、俺のSAN値が緩やかにだが確かにガリガリと削られていく。
「もーぅ、ゆー君素っ気ないわよっ!」
「……ルクリファスさんが気さくすぎるだけだと思いますよ。僕は、普通です」
返答につまり、よそよそしいうえに白々しい嘘をついてしまう。
はは、誰が「普通」だ。
本当に普通だったら、今頃俺は、俺達は―――――
「いーえ、ゆー君は普通じゃないわ!」
自嘲を含有した思考が、フィリアにきっぱりと否定された。どこか怒ったような瞳に気圧され、俺は少しだけ体を引く。
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