嵐を呼ぶ山田

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「う……わっ!?」 吹き飛ばされた俺は、次に来る着地の衝撃に備えて目を瞑る。 しかし、 「……ん、あれ?」 予想していた衝撃とは違い、俺は柔らかな何かに支えられ無事地面に立った。早い話、誰かに受け止められたようだ。 昨日流にタックルされた時も、たしかこうやって受け止められたよな……ということは、メフィストか? 「すみません、メフィストさん……」 とりあえず、謝りながら急いで離れようとする。すると、後ろから何やら無理矢理感情を押し殺したような、震えた声が聞こえてきた。 「……メフィストじゃないし。危ないんだけど」 ……まさかのヤンツンとか。 「急にぶつかって来ないでよ、迷惑」 「す、すみません……」 無駄に刺激しないように、と頭を下げておく。すると、レンはぷいっとそっぽを向き、 「べ、別に祐也を受け止められて役得とかラッキーとか思ってないんだからねっ!かっ、勘違いしないでよね!」 …………これは、わざと言ってるのか?
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