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「ゆーうやっ!どうしたんだ?そんな「中の人がムカつくけどどうしようもないから無理矢理苛立ちを抑えてそれでもやっぱりムカついてもう半ば現実逃避的に中の人を排除する方法を模索してるような表情」してさ」
長いし的確すぎるんだが、メフィストは読心術でも会得しているのか!?
「……いえ。なんでもありませんよ、メフィストさん」
「ふうん……あ、あとな、祐也」
「な、なんですか?」
俺の机に手を着き、目を合わせるメフィスト。昔から何一つ変わらない紫の瞳に捉えられ、返す言葉に演技ではなくつかえてしまう。
メフィストはそんな俺を見てにっとイタズラな笑みを浮かべると、
「メフィスト、だ」
「……え?」
「メフィストさんじゃなくて、メフィストって呼んでくれよ。な?」
ダメ押しのように笑みを深められ、たじろいだ俺は無意識に後ろへ体を反らしてしまう。
呼び捨て……心中ではしているが、そんな親しげにするなど…………出来るわけ、ないだろう。
「……その、僕は、人のことを呼び捨てに出来るほどの人間ではないので……」
根暗らしく己を卑下しながら断れば、メフィストはまるで見透かしていたように淀みなく返答をした。
「言い忘れてたけど、これは強制だからな」
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