14383人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?」
「呼び捨てしなきゃ、ぶん殴るからな」
「え……その……」
メフィストの唐突な脅迫に戸惑い、俺はメフィストへ揺れた視線を向ける。
どういうことだ?自惚れのようで恥ずかしいが、メフィストが俺に害意を向けるなんて有り得ない。有り得ないのだが……。
メフィストから目を離すことも出来ず、紫色の瞳に射竦められながら考え込んでいると、新たな人物が接近してきた。
「もっしもーし!メフィストさんに祐也さん、このオレを差し置いてなに話しちゃってるんですかー?ハブるとか泣くからな」
ボタンが全て外されて全開になった学ランと、同様の白いワイシャツ。
そして、ワイシャツの下に着ている白地に「ぱにゃにゃんだー」と黒字で書かれているシャツに、最早締めているなどとは口が滑っても言えない程緩い、無意味な赤ネクタイ。
右顔面を黒い眼帯で覆っており、その頭上には鎮座する金色に光り輝く王冠。
黒い学生鞄を肩に担ぎ、ヘラヘラ笑いながらメフィストの横に立つのは今日も全力で独特ファッションの皇紀だった。
……朝は色々とあったせいであまり意識しなかったが、改めて見ると…………さすが皇紀としか言いようがないな。
最初のコメントを投稿しよう!