嵐を呼ぶ山田

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「ちょ、皇紀。なんだよそのシャツ!だっさ!ぱにゃ、ぱにゃにゃん……ぷっ」 「んあ?これ?」 メフィストに笑いながら問われた皇紀は、間抜けな声を出しながら着ているシャツを摘まむと、考え込むかのように空いている方の手を顎に添えた。 「今日、変な夢見てさぁー。違う世界の俺達の夢見てたんだよね」 「違う世界?なんだよそれ」 「だから、夢だっつーの!人の話は最後まで聞きましょうねーメフィストさん」 そのまま何かを想起する素振りを続けると、皇紀は愉しげな笑みを浮かべて俺を見据えた。 「まず、祐也は教師になってたな。しかもえらっそーなこと言っててさぁ、笑い堪えんのが大変だったわ!」 「……え」 ……教師? ぽかんとする俺をよそに、皇紀は更に続ける。 「もちろんメフィスト達もいたぜ?レンもフィリアもレイクもみんないてさ――」 愉しげに、夢の内容が語られる。
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