嵐を呼ぶ山田

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「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「祐也」 ……本当に男泣きしている皇紀は放置なんですね。分かります。 「……なんですか?」 四つん這いになり、男泣きと呼ぶに相応しく泣き叫んでいる皇紀へちらちらと視線を向けながらも、俺は畏縮した声でメフィストに疑問を伝える。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 依然として皇紀を放置したままのメフィストは、そんな俺へと爽やかに笑ってみせた。 「俺はこうして祐也を脅迫する。自称根暗で弱虫な祐也は当然逆らえない。嫌々ながらも祐也は俺を呼び捨てにする、おけ?」 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 「の……」 言葉の内容よりも、爽やかな、しかし有無を言わせない笑顔に気を取られ、思わずノーと言いかけてしまった口を慌ててつぐむ。 こう言われてしまえば、俺には断ることなど出来ない……メフィスト、これは卑怯だろう。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 あと、皇紀。いい加減うるさい。
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