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「というわけで」
「は、はいっ!?」
突然声をかけられ、俺は演技抜きで動揺した。
「はは、なんだよその声。裏返ってんぜ?」
「…………そんなこと、どうでもいいじゃないですか」
指摘に僅かに曇った表情を見抜かれ、俺はたまらずに俯く。
そんな俺を見て、メフィストはなぜか嬉しそうに笑った。
「拗ねんなって……いや、違うな。もっと拗ねろよ」
「どうして、ですか?」
危ない。
予想外すぎる台詞に、思わず「どうしてだ」という言葉が口をついて出かけた。
とっさに敬語に直したが……メフィストたちは、こうして俺の隙を突いてくる。気を引き締めないと。
それにしても、卑怯だぞメフィストー!
俺の心中を知ってか知らずか、メフィストはしてやったりと言いたげな笑顔を浮かべた。
「拗ねるってことは不服や反感を持ってるっつーことだろ?本当の根暗ティブってるやつなら、そんなのよりもまずは恐怖を抱いて畏縮するだろ。特に俺なんか今は祐也のこと脅してんだし、さ」
……だめだ、メフィストたちに勝てる気がしない。エアーマン並に手強い。倒せない。
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