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「返して、ください……っ!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねながら、メフィストが掲げた眼鏡に必死に手を伸ばす――しかし。
「ほーら、頑張れ頑張れー」
余裕の体で眼鏡を左右に振るメフィストに、半ば本気の殺意を覚える。
……くそ、メフィストの長身美形が!!
『……祐也、ちょっと殺気漏れてるよ?』
メフィストが長身美形なのが悪い。
呆れたようなユウヤの声に心中で言い返しつつも、動きは止めることなく眼鏡を取り返すべく奮闘している。
『ごめんね、祐也はぼくと一緒になったから前世よりも更にち、ちっちゃく……十五歳になっても身長は……ぷっ』
「笑うな!!」
「なんだよ祐也、キレんなって」
「あっ、いやっ!その、メフィストさんではなくて……!」
内と外で別々に行われるやりとり(主にユウヤの発言)に、思わず間違った発言を口にしてしまった。くっ、ユウヤめ……!
段々と処理能力が低下していく。外面と内面が意識に混在して、境界が曖昧になり――そして。
ついに、
「それにして、そんなに跳ねても取れないって……今の祐也の身体、本当に小さいよな」
「……っ!うるさいメフィスト!!!」
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