ドキ☆ドキ浮気調査!……かーらーのー?

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「あれ、この両手の炎は……」 「はぁーい消火でーっす!」 「つめたっ!?」 両手に燈る力強い炎を持て余していれば、ふざけた声と共に水を掛けられた…………え?水? 「皇紀くん必殺<蓋然たる歔欷>通称水鉄砲でーっす!これであなたのハートを狙い撃ち!」 指を鉄砲に見立て、あざとく首を傾げてポーズを決めた皇紀を呆然と見つめる。 「な……」 「なんだいなんだい、皇紀くんのかっこよさに狙い撃ちされちゃったのかーい?へーい?」 言葉を発しようと口を開くが、あまりの驚きに声が詰まってしまったようだ。喉から漏れる意味のない音を聞きながら、必死に思惟を巡らせる。 今、皇紀は何をした? 近場の水道は手の届く範囲にない。しかし、それでも俺に水をかけた。指を鉄砲に見立てて、自分が水を操ったと明言している。つまり、 「……魔法」 「ん?使えるぜー?」 軽い口調と、気軽に無から生み出された有(水の塊)にくらりと目眩がした。
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