ドキ☆ドキ浮気調査!……かーらーのー?

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メフィストの注意にふと現実に引き戻され――慌ててレキを解放する。 「前」は、見た目も中身も五歳児程度だったレキだが、現在は俺と同じくらいの少年へと成長している……というか、俺よりも背が高いんだが。皇紀と同じくらい……百七十五とか、それくらいか? 「す、すまない……」 「あっ、ううん、ぼくこそごめんなさい!」 互いに顔を真っ赤にして謝る。 「ぱぴぃ……ゆうやさん、だよね。会えて、嬉しくて……なんか、混乱?びっくり?頭の中わああーってなっちゃって……」 照れ笑いするレキは、どうやら、精神的にもちゃんと成長しているようだ。 先程の舌足らずで幼い口調は、フラッシュバックのように記憶の混濁による一時的な幼児返りを起こしたのだろうか。 「ゆうやさん、か……ぱぴぃとは呼ばなくていいのか?」 「もう、からかわないでよっ」 にやりと笑いながら言ってやれば、恥ずかしいのか少し拗ねた風に眦がきつくなる……ああ、レキは、ちゃんと生きてきたのだな。 本当に、よかった。 まだ少し赤い顔を見合わせ、柔らかく笑い合う。
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