ドキ☆ドキ浮気調査!……かーらーのー?

23/50
前へ
/276ページ
次へ
「ぼくね、なんとなくわかってたんだ。ぱぴぃには、本当は会うはずじゃなかったって……ぼくは、ぱぴぃに会わないで、あそこで、死んでたんだって」 澄んだ湖面のように静かに語るレキは、飢餓に苛まれ、意地悪く脅すようにざわめく木々に囲まれて、恐ろしい獣に襲われて終える最期を覚悟していたと言う。 「でもね。ぱぴぃに出会って、運命が変わった」 凪いでいた表情に、喜色が広がる。 「美味しいごはん食べて、あったかいベッドで寝て、遊んで、笑って。ぱぴぃと過ごして、ぼくは幸せを知ったんだ」 ひどい顔をしているであろう俺に、俺が殺してしまった少年が笑いかける。 「だからね、ぱぴぃ。怖がらないで。出会うのは、運命が変わるのはやなことばっかじゃないんだよ」 ……困ったな。 そんな、幸せそうに言われたら。 「……そうか」 拒むことなんて、もう、出来ないじゃないか。
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14383人が本棚に入れています
本棚に追加