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小さく頷き、ずっと拒絶していたそれを認めた途端。心の深い部分、凝りのように重たいなにかが消えた気がした。
もう、俺を繋ぎ止めておくものはない。
『これで祐也は自由に動けるわけだね。メフィストたちを傷付けるのも、不幸にするのも、もう、言い訳が効かないよ』
「ああ、そうだな」
「ぱぴぃ?」
端から見れば、唐突に一人言を言い出した俺を、レキが不思議そうに見ている。なんでもない、気にするなと、笑って頭を撫でてやれば、気持ち良さそうに目を細めるからもううちの子は可愛いな!!!!!!!!!!
『祐也は他人と関わる責任を持たないといけないんだよ』
「それが当然だからな」
『……もう、逃げられないよ』
「そうだな……正直なところを言うと、少し、怖いんだ」
それでも。
「不幸を癒してくれるような、そんな幸せを信じてみようと思う」
そのために、まずは彼らと話をしよう。
重たい凝りが消えた今なら、きっと受け入れられるはずだから。
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