ドキ☆ドキ浮気調査!……かーらーのー?

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レンは、色味のない、淡々とした声で喋る。 「つまり、祐也はおれたちに嫌われたくないの?」 直截的な物言い。意図的に感情を載せていない声。前も、今も、レンのこんな声なんて聞いたことがない。 「……ああ、そうだ」 どうしてもレンの顔が見れなくて、俯いたまま頷く。 「……っ」 何かを抑え込むような、鋭く息を吸う音が聞こえた。 「レン、」 「ごめん、メフィスト。我慢できないや」 宥めるような声と、形だけの謝罪。相変わらず俯いたままの俺だが、メフィストが眉を下げ、困ったような顔で笑うのが目に浮かぶようなやり取りだ。 申し訳なくて、次の言葉が怖くて、膝に載せた拳をぎゅっと握る。 そんな俺を知ってか知らずか、レンはろくに間も取らずに言葉を紡ぐ。 「あのさ、祐也……」 怖い。 拳だけでは足りずぎゅっと目をつぶった俺に、きっと今から、レンの拒絶の言葉が――
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