よいこのHow to 如月家☆

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『お父さんが骨折して入院したりするの、慣れっこだもんね。つい気付きにくくなってるのかも』  のほほんと笑う姉さんに、がくりと力が抜ける。 『慣れっこ……? お義父さんは体が弱かったり、病弱だったりするの?』 『レン。「おとうさん」の変換がおかしな気がするのだが……まあいい。父さんは別に体が弱いわけではない』 『じゃあ、なんで?』  あざとい角度で小首を傾げ、きゅるんとした瞳で見詰めてくるレンが可愛い。俺の家族がこんなに可愛いわけがない!  ……ではなくて! 『家の中や道場、如月家の敷地内では体も頑強で風邪なんてひかないのだが、何故か、家の外に出るとやたらと怪我をしてな。骨折するのはこれで三十九回目だ』 『三十九回!? 待って、お義父さんいくつなの?』 『今年の九月で三十七になるな』 『大丈夫かそのペース。葛飾北斎の引っ越し癖よりペース早いぞ……』  微妙に分かりにくい例えをするな、レイク。レンとレキが小首を傾げているだろう。ああもう本当に、俺の家族がこんなに可愛いわけがない!
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