よいこのHow to 如月家☆

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「……なるほどな、何やら意味深な事を言っていたのはこういうことか」 「あまり驚かれていないようですが、もしかして多少は予測されていたのでしょうか?」 「この合議に何らかの関係がある、とだけだがな……それより」  眉をしかめ、わざと声を大きくする。 「年も同じなんだ、その堅苦しい口調はやめて、もっと楽にしていい」 「しかし――」 「これは命令だ」 「……了解致しました」  こくりと頷くと、兎丸は俺の隣に腰掛けた。 「学校とはずいぶん話し方がちげぇじゃねえか、根暗さんよ?」 「俺の家のことを知っていたのなら、余計な小細工は不要だろう? それに、この方がそっちもいいだろう」  途端に従順な態度をかなぐり捨て、にたにたと性根のひん曲がった笑みを浮かべる兎丸に、こちらも口の端を吊り上げて応戦する。 「仕える対称に萎縮した態度をとられる従者なんて、まず高評価は得られないだろうな」 「その通り。だから、タメ口のことも周りにわざわざ聞こえる様にしてくれて助かったぜ。やっぱりお前、頭の回転早いな」 「思ってもないことを言うな」  ぴしりとはね除ければ、兎丸は愉しげに喉を鳴らした。
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