よいこのHow to 如月家☆

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「……オレのことはどうでもいいんだよ。お前、如月家がここでなにしてるか知ってんのか?」 俺の僅かな共感を感じ取ったのか、気まずげに話題転換をする兎丸。 「父さんからは『白か黒かで言えば限り無く黒に近いヴァンタブラックな事』に関わっている、とだけ聞いているが……」 「それ、黒の中の黒じゃねえか。しょうがねえな……」 兎丸は、懐に手を差し入れ懐中時計を取り出す。 ……合議と言うからにはと和装で来ていたのだが、こうして「従者」として付き添う兎丸も和服で来ているのを見ると、正解だったようだ。 千歳緑の和服を着ている俺に合わせたかのように緑青の和服を着た兎丸が、ぱかりと開かれた文字盤を見れば、二時までは後十五分ほどある。 「時間もあるし、軽く説明してやんよ」 懐に時計を直して、兎丸は一つ、指を立てた。
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