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「はあ……懇切丁寧に説明する時間なんてねえからな、かいつまむぞ」
そう言うと、兎丸は解れて読めなくなっている名前を、とん、と指で叩いた。
「まず、これが全ての元凶」
「元凶?」
思わず疑問を溢せば、黙っていろとばかりに睨まれる。
『お口ミ○フィーちゃんだよ祐也』
「こいつが、まず三人の子供に技を継いだ。それが睦月、如月、弥生。暫く経って、そいつらが更に三人ずつ子供をつくり、それぞれ継がせた。それが下段の卯月から師走まで」
「ちょっと待て」
黙っていろと言われたが、流石に話の根幹であろう知識がすっぽり抜け落ちていたら、意味がないだろう。
「技って何のことだ」
……いや、正確に言えば。
「何の為のものだ?」
どうにも、嫌な予感がする。
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