よいこのHow to 如月家☆

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女性は、参加者の視線を一身に集めながら楚々とした所作で唯一空いていた席――俺のすぐ隣、上座まで来ると、座布団の上に正座をした。そして、深々と頭を下げる。 「改めまして、本日も進行を務めさせていただきます。睦月家直系、当代、睦月夢尽(むつき むつき)と申します。実りのある合議になりますよう、皆様のご協力を頂ければ幸いです」 顔を上げれば、そこでは相変わらず、凛とした、芯のある瞳が参加者を見つめていた。 不意に、その瞳がふわりと緩む。 寒紅を塗ったかのような真っ赤な唇が妖艶に開いて―― 「……まあ、こんな固っ苦しいのはここらで終わりにして。みなさん、ここからはいつも通りゆるーっと飲みましょうか!」 「「「よっしゃ酒だ酒だあああああああっ!」」」 ……Where did seriousness go?
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