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「……ッ!?」
―――――ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!!
姉さんの目を見た刹那、俺の全身を激しい悪寒が巡った。
よろめくようにして一歩下がる。
そんな俺を見た姉さんは、不思議そうに小首を傾げた。
「ゆーちゃん、なんで怯えてるの?」
「……いや、その」
穏やかにしか聞こえないその声色が恐ろしくて、つい目線を泳がせてしまう。
そんな俺を見た姉さんは、何故かクスクスと笑いだした。無性に怖い。
「ふふ、そんなゆーちゃんも可愛いけど……今は、こっちが先。ねぇ、ゆーちゃん」
そこで、姉さんは俺の目を逃さぬようにしっかりと捉えた。
弧を描く唇と笑っていない目が俺を真正面から見詰めてくる。
「わたし、あれだけ言ったよね?変な女の子と遊んじゃダメだよって……!」
先程まで穏やかな声色とは打って代わって、一変。姉さんは暗く、感情に揺れた声で不可解なことを言った。
その瞬間、疑問のピースと答えのピースがカチリと噛み合った。
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