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そのままじりじりと距離を開け続けること数分。
「なんで……っ!」
代わらない状況に焦れたのか、姉さんは感情を爆発させた。
形の良い瞳に涙を浮かべながら叫ぶ。
「なんでゆーちゃんは二次元の女の子が好きなの!?私じゃ……お姉ちゃんじゃダメなの!!?」
「すまないが、無理だ」
即答。いや、流石に姉を恋愛対象として見るのはちょっと……。
ここで俺は、重要なミスを犯してしまった。姉さんの後半の台詞に対する否定を重要視しすぎて、他の誤解を解くことを忘れていたのだ。
「……そんな」
俺の言葉を聞いた姉さんは、ショックで目を見開いた。
驚愕に身を震わせ、否定するように小さく首を横にする。そして、
「ゆーちゃん、そんなに二次元の女の子が好きなの!?姉の私よりも、好きなの!?二次元を愛しすぎてるの!?」
「伝わってない!!!?違う、姉さん!!先程の否定はそういう意味の否定ではない!!」
何て酷い勘違いをするのだ!?
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