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「違う、先程の否定は姉さんを恋愛対象として見ることは出来ないということで、二次元の女の子が好きすぎて三次元に興味がないという意味ではない!」
俺は、勘違いをしている姉さんにのべつ幕なし捲し立てる。
「そもそも、姉さんは勘違いをしている!!」
「か、勘違い?勘違いって……?」
行儀悪くビシリと指をさして言えば、姉さんは動揺しつつも訊ねてくる。
俺は手の中の破壊された携帯ゲーム機を掲げた。すると、釣られるようにして必然的に姉さんも携帯ゲーム機を見る。
「俺がやっていたゲームは、主に合成音声ソフトを使って作った曲を収録している音ゲー……音楽ゲームだ」
かつて、俺が地球に暮らしていた頃から見て多少未来に転生した今でも、音楽ゲームは時代の背景に埋もれず、しっかりと生き残っていた。
それどころか、合成音声ソフトの人気は昔よりも絶大なものになっているので、関連商品も増えていたのである。
「このゲームは、乙ゲーではなく音ゲーだ。上手くボタンを押して合成音声ソフトのキャラクターを歌わせ、更に歌に合わせて踊らせる程度の事で『二次元の女の子と遊んでる』と言われても困るのだが……」
呆れを声に乗せて呟けば、姉さんはすっかり先程までの勢いを無くして俯いた。
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