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ぎゅっと敷布団を握る。すると、皺が出来ると同時に握ったことで引っ張られた布が、布団にぺたりと付けた頬を擦った。
その感覚は、間違いなく、今、ここに俺が存在しているという証拠だ。
―――――何故、俺は転生してしまったのだ。
何故、皇紀がいる。
何故、俺は魔法が使える。
何故、ユウヤと共存出来ている。
毎夜毎夜繰り返し浮かぶ疑問。時にはユウヤと共に疑問符を浮かべ、議論し、幾度となく解答を求め続けてきた疑問。
しかし、毎回答えは出ずに終るのだ。それは今夜だってそう。
顔を隠すために伸ばした髪が耳朶を擽り、それが鬱陶しくて緩く頭を振る。
―――――俺達は、無知だ。例え世界中の憎悪を、歓喜を、愛情を知っていても、己のことすら知らない。
繰り返す。
―――――俺達は、無知だ。
その言葉の余韻は、深く沈んでいく意識に重く響いた。
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