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梅雨も明けきらず、しかし、夏の暑さも蔓延した非常に不愉快なある日。
蒸し暑い教室の中で、俺こと、如月祐也は瞠目した。そして、次の瞬間―――――
「げほっ!!げほ、げほっごほっ!!!!」
―――――激しく噎せた。突如として響いた苦し気な咳に、クラスメート達は壇上へと上がる《彼等》から目を離して俺を凝視する。こっちを見るな。
中身の大半が残っているイチゴみるくの紙パックを机に置き、一先ずは呼吸を整える。というか、早急に整えなくてはいけない。何故なら、今、噎せている俺は目立っているからだ。
では、何故目立ってはいけない?
それは―――――
「何故か噎せている人がいますが……とりあえず、転校生に自己紹介をしてもらいましょうか。では、二人とも自己紹介をしてください」
「ちぃーっす。俺の名前はメフィスト・山田・セブンスだ、よろしくな」
「私はフィリア・山田・ルクリファスよ!よろしくね、皆!!」
―――――壇上で目映いばかりの笑顔を見せている転校生に注目されないためだ。
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